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コラム

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ちょっとおもしろい話や時事ネタ、趣味、ローカル話、衣食住に関する事など、それぞれが思い思いの文章を書きつづっていきます。

御在所山         T.K

 秋らしい晴れの日、三重県は御在所山(ございしょやま)が今日の目的地である。
 人気の山に天候もよし季節も絶好、二台の車で鈴鹿スカイラインの峠を越える。四日市の市街、そして太平洋も見える。降りたところが登山口のある湯ノ山温泉だ。
  今日は表登山道を登る。渓流が流れ、整備された山道を登ってゆく。 しばらく登ると日向小屋が現れた。写真や風景画のスケッチが掲示されていた。しばらくするとケーブル発着場に到着した。東海地区の代表的な観光地だけあって観光客がいっぱいいる。老若男女、子供、幼児連れとあらゆる客層がぞろぞろ歩いていた。
  頂上はもう少し上にある。観光道路を避けて斜面を登ったがカモシカの糞がいたるところにあった。汚いという気持ちがしないのはカモシカのモノであるというからであろう。これが人間のモノであると言われたら気持ちが悪くて登れない。
 
 
山頂へ到着、早速昼食だ。缶ビールの蓋を開ける。しゅわっと泡がふきこぼれ歓喜の一瞬である。
  2〜3m下で5人の壮年男女がまったけと焼き肉の饗宴を繰り広げようとしている。一方わがグループはパンで空腹をゴマカス人、コンビニのおにぎりを美味しそうに味わう人、インスタントラーメンの夫婦、、、この差はなんであろうか、しかし私はそんなことは気にせず、芳しい匂いにひたりつつ缶ビールとおつまみを味わう。時折、風向きが変わり匂いがこなくなると黙って風の来るほうに場所を移す。
  匂いを楽しみつつ不遜な想像の世界に浸る。まん中で料理を仕切っていた中年過ぎの女性は昔、美人で今は多少意地悪な感じ、、、あれでは目が合ったとき、袖すりあうもナントカノ縁、「つまらないものですが、如何ですか?」などとは言ってくれないだろう。おとなりでしゃれたベストを着て偉そうに肉を食べていたのが旦那じゃなかろうか、作るのはおまえ、食べるのは俺、じゃなかろうか、、、、、こんな惨めな考えが次から次へ湧いてくる吾が貧しさがいやになる。後で帰宅してから妻にこのことを話したところ、昔、能郷白山でマッタケを食したことがあるそうだ。私はそのとき折悪しく不参加であったが、我々の名誉のために一言申し添える。
 
  昼食も終わり、帰りは中道を下ることになった。こちらはアルペンルート並みのバリエーションに富み面白いコースである。奇岩、巨岩が随所にあり変化にとんでいる。
  中でも負ばれ石は2つの巨石が重なり合い下側の岩が上の岩を支えているが、その下を通過する者が今にもつぶされてしまうのでは、といった恐怖感を感じさせる岩である。
 何故、負ばれ石と呼ぶのだろうか?「負う」という言葉は「負担する」とか、借金や障害などマイナスな要素を担ぐ場合に使う言葉である。さしずめ下側の岩が上側の岩を負っているからであろう。上の石は誠意を持って下の石に感謝しているんだろうナ!といいたくなる。こんなのに限って、寄りかかるのが当然、、、と平気でもたれかかっている。なんだか寄りかかられている岩が可哀想な気がしたのである。
 
さらにすこし下ったところにあった地蔵石、これもなぜ地蔵石と名づけられたか分からない。全く不安定極まる姿である。オリンピックでの体操競技で日本選手が演技を終えてよろけながらも根性で着地、、、おっとっとと、、、転びそうで転ばない。そんな感じである。この根性に対し国民栄誉賞をあげよう。
 
  楽しみながら下ること数十分、ふもとに到着し帰路につく。途中、土地のものを即売しているところがあった。去年は近くの藤原岳に行った帰りにここで美味しいサツマイモを買った。今日もあるかな、、、とのぞいたがまだおいてなかった。かわりに立派なしいたけがあったので買って帰った。後で妻に値段をきかれ、500円といったところ、おそらくスーパーに売っているのより高かったのであろう、うれしそうではなかった。こちらは昼のまったけが忘れられなくて買ってきたのだが、晩飯は焼肉にしてくれとも言えなかった。
(2006/11/17UP )


過去のコラムはこちらから
 


第1回 「私の新入社員時代」
第2回 「匂いヒラタケ、味ヒラタケ」
第3回 「心に沁み入る言葉」
第4回 「越前ネコ騒動」
第5回 「慢性風邪との決別」
第6回 「克雪から親雪に」
第7回 「カッコウ鳥が鳴いている」
第8回 「御在所山」


 

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